久米島キャンプ最終日は、引き続き快晴に恵まれた最高のコンディション。頭上には青い空が広がり、心地良い風が流れる。南国の太陽を体いっぱいに浴びて、最後の練習を行った。

この日は、このキャンプ3度目となる紅白戦を実施。過去5イニング、6イニングから、今回は9イニングの試合となった。投手陣では12人が登板。先発の辛島航選手・相原和友選手が好投を見せ、中盤はベテランの川井貴志選手とルーキー加藤正志選手がそれぞれ持ち味を発揮。最後は青山浩二選手がキレのある直球とスライダーを軸に抜群の投球を見せた。また、8回からリリーフとして登板した松井裕樹選手は、2回42球を投げ1安打・2奪三振。最速142キロとまずまずの投球を披露。試合後、大久保博元監督は「勝つために必要な投手。中6日の登板では勿体無い。8回から起用したのは、毎日いてくれないと困るという気持ちも込めての意思表示」と話した。

一方、打線では、ルーキー福田将儀選手が「1番・センター」で出場し、2安打と好調な打撃を維持。一死3塁からエンドランでしっかり内野ゴロを放ち打点をマークするなど、実戦向きのプレーを見せた。また、新外国人のウィーラー選手が二塁打を放つなど2安打をマーク。「試合を行っていきながら、コンディションを徐々に上げていくタイプ」の言葉通り、日本野球への適応性を少しずつ見せている。また小関翔太選手は、二塁打の後に、レフトへ本塁打を放つなど、打撃でもアピール。大久保監督も「（レギュラー陣は）全く固まっていない」と、引き続き、横一線の競争が続いていくことを宣言した。

試合は、7-2で紅組が勝利。試合後には、選手全員がグラウンドを一周し全ての練習メニューが終了した。最後は、監督・コーチ・選手・スタッフに、久米島協力会の方々が加わって、マウンドを中心に大きな輪を作り、藤田一也選手会長が挨拶。「久米島の皆さま、このキャンプを支えてくださったスタッフ・関係者の皆さま、本当にありがとうございました。もう一度、この久米島にチャンピオンフラッグを持って来ることが出来るように一致団結して闘って行きます」と音頭をとって一本締めを行った。

天候が心配された久米島キャンプだが、全ての練習メニューを一度も変更することなく、予定通りに消化した。大久保監督は「予定通りに12日間、全ての練習を行い、準備が出来ました。非常に手応えを感じています。怪我人やミスもありましたが、しっかり検証が出来ました。100点です」と、振り返った。

日本一奪回に向けて、新体制でスタートした久米島キャンプ。大きな声と笑いに包まれ、厳しい練習を明るく前向きに行った。その中心には、常に新しい指揮官がいた。その想いは選手に浸透し、チームの総合力が上がった。今後は、練習試合・オープン戦と日本各地で実戦経験を積みながら、さらにチーム力を高める。一昨年の日本一から一転、昨年は最下位。天国と地獄を味わったチームは、最強のV字回復を目指して、這い上がる。