苦虫を噛み潰すナイン。10月1日（月）バファローズとの今季最終戦に敗れ、状況は一段と厳しくなった。2回に松井、藤田のタイムリーで幸先良く先制。先発・菊池も4回まで2安打と踏ん張る。ところが5回、深江、大引に連続長打を浴びて追いつかれる。さらに8回、大引に決勝点となる一発を浴びて逆転負けを喫してしまった。これで3位ホークスとのゲーム差は「3.5」に広がった。まさに絶体絶命。それでもエースがわずかな望みをかけマウンドに向かう。俺たちに明日はない。

10月2日（火）ホークスの先発は山田大樹。2010年に育成選手から支配下登録され、今季ここまで自己最多の8勝をマークしている手強い左腕だ。楽天イーグルスは今季3度対戦。9月12日（水）の17回戦（ヤフードーム）では、8回2失点と封じられ8勝目を献上している。しかし、4月3日（火）と6月29日（金）の対戦（ともにKスタ宮城）では痛打を浴びせ、黒星をお見舞いしている。山田に3打数2安打3打点と強さを発揮する鉄平、一発を浴びせているフェルナンデスらが再び攻略の糸口をつかむ。

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楽天イーグルスの先発は、4年連続となる2ケタ勝利を目指す田中将大。ここ2試合は好投しながらも勝ち星に恵まれず8勝で足踏み。それでも田中が投げた試合でチームは4連勝中。見事、エースの重責を果たしている。ホークス戦は今季3試合に登板して1勝、防御率1.04とほぼ完璧に封じ込め、2010年から5連勝中だ。9月24日（月）の21回戦（Kスタ宮城）では9回1失点と力投し、松井稼頭央のサヨナラホームランを呼び込んだ。

この日は2回に3連打で1点を失うなど序盤はピンチの連続。それでも尻上がりのピッチングで計13奪三振。今季4戦全敗の天敵・攝津との勝負にチームは勝利した。「将大が頑張っていたのに、チャンスで打てず申し訳ない気持ちだった」と語った松井だったが、田中はいち早く歓喜の輪に飛び込み祝福した。クライマックスシリーズ進出のためなら、自らの勝ち星に興味はなかった。わずかでも残った火があるならば、灯し続け燃え上がらせる。エースのボルテージは最高潮だ。