2011年4月29日(金・祝) 本拠地開幕戦 Kスタ宮城
嶋基宏選手のスピーチ

本日は、このような状況の中、Kスタ宮城に足を運んでいただき、またテレビ・ラジオを通じてご覧頂き、誠にありがとうございます。この球場に来ることが簡単ではなかった方、ここに来たくても来られなかった方も大勢いらっしゃったかと思います・・・。

地震が起った時、僕たちは兵庫県にいました。遠方の地から家族ともなかなか連絡が取れず、不安な気持ちを抱きながら全国各地を転戦していました。報道を通じて被害状況が明らかになっていくにつれて、僕たちもどんどん暗くなっていきました。その時のことを考えると、今日、ここKスタ宮城で試合を開催できたことが信じられません・・・。

震災後、選手みんなで「自分達に何が出来るか?」「自分達は何をすべきか?」を議論して、考えぬき、東北の地に戻れる日を待ち続けました。そして開幕5日前、選手みんなで初めて仙台に戻ってきました。変わり果てたこの東北の地を「目」と「心」にしっかりと刻み、「遅れて申し訳ない」と言う気持ちで避難所を訪問したところ、皆さんから「おかえりなさい」「私たちも負けないから頑張ってね」と声をかけて頂き、涙を流しました。

その時に何のために僕たちは闘うのか、ハッキリしました。この1ヶ月半で分かったことがあります。それは、「誰かのために闘う人間は強い」と言うことです。

東北の皆さん、絶対に乗り越えましょう。今、この時を。
絶対に勝ち抜きましょう、この時を。
今、この時を乗り越えた向こう側には強くなった自分と明るい未来が待っているはずです。

絶対に見せましょう、東北の底力を!

本日はありがとうございました。