2016/02/10 (水)
チーム

【キャンプレポート】フジ・コーポレーションスプリングキャンプ 2016

2月9日(火) ルーキーの輝き

  • 天気:晴れ
  • 気温:20℃
  • 風速:2m/s
  • 観客数:450人
  • 報道数:75人

フジ・コーポレーションスプリングキャンプ2016 レポート2/8

久米島でのスプリングキャンプ9日目。快晴に恵まれ、風も弱く、最高の天候となった。このキャンプ最高のコンディションの中、選手たちも元気に躍動。これまでは室内練習場(ホタルドーム)での練習が多かっただけに、心も体も自然と軽くなった。

「最高の天気で、清清しいですね」と話した梨田昌孝監督もその一人。ウォーミングアップの際には、ラグビーの五郎丸ポーズからキック姿をこっそり披露。「見っと(ミット)もないからボールを受けない」と駄洒落を用いて話していたが、この日のブルペンでは、キャッチャーミットを持って辛島航選手のボールを受ける場面もあった。心地良く動いた指揮官は、投内連携(サインプレー)・重盗防止などの練習を行い、チームプレーを入念に確認。そして、若き新戦力のプレーに目を細めた。

 ドラフト1位「背番号9」のオコエ瑠偉選手は、ウォーミングアップ中、どういうわけか、グローブを左手にはめたままウォーミングアップを行った。この日は、全体練習終了後に約40分の特打を敢行。柵越えを連発するなど、鋭い打球が日に日に増している。梨田監督は「伸びしろがありますし、ずっとバットを振っている中でも、音を上げずに良くやっている」と褒め称えた。

一軍選手は通常よりも早い時間に球場を後にしたが、投手陣の中では、安樂智大選手が午後も残って練習。前日の紅白戦で2回を投げた翌日にブルペンで65球を投じた。「疲れている中でどれだけ投げることができるか確認したかったので」と笑顔で話した。

 ドラフト2位「背番号2」の吉持亮汰選手は、この日、一軍練習に参加した。50メートル5秒68の快足ルーキーは、30メートル走の測定では島井寛仁選手に敗れたが、得意の守備・走塁で存在感を発揮。梨田監督は「足も速く、守備も堅実、バッティングはコツコツ当てていくタイプで、面白い存在ですね。オコエとも、茂木とも違うタイプで面白い存在」と注目した。

ドラフト3位「背番号5」の茂木栄五郎選手は、引き続き、高い打撃技術を披露。本人は「まだまだです」と謙虚な姿勢を崩さないが、広角に打ち分ける打撃は高い評価を受けている。梨田監督は「初日から良い状態が続いています。あとはゲームの中でどのように結果を残していくか。評価はうなぎ上りです」と絶賛した。

ルーキーでありながら、一桁の背番号を与えられることは、期待の証。外国人選手・今江敏晃選手・栗原健太選手だけではない。新しい若き力の注入がチームを活性化させる。三者三様の新人野手は、太陽の光を浴びて、さらに輝いていた。

2月8日(月) 頼もしきキャプテン

  • 天気:晴れ
  • 気温:15℃
  • 風速:5m/s
  • 観客数:550人
  • 報道数:80人

フジ・コーポレーションスプリングキャンプ2016 レポート2/8

久米島でのスプリングキャンプ8日目。冷たい風が吹き体感気温はさらに下がったが、練習メニューに変更はなく、青空の下、予定通りに消化した。

朝の浜辺での声出しでは、キャプテン・嶋基宏選手が朝日の昇る海に向かって、堂々と叫んだ。「おはようございます。プロ10年目、32歳になります、嶋です。今年は震災から5年。少しずつ忘れかけています。2013年の感動を、皆さんと味わいたい!ファンのため、楽天のため、監督のために全身全霊で戦いまーす!」。最後はかすれ気味の声になりながら力強く締め括ると、大きな拍手と歓声が上がった。「少しずつ風化している状況で、経験していない選手も増えて来ました。当時の気持ちを忘れないように一緒になって戦っていくという想いです」と、その言葉の意図を口にした。

この日の練習は、早めに切り上げ全体練習は13時に終了した。午後半休、いわゆる「半ドン」。前日に紅白戦などを行ったこともあり、無理をしない練習メニューに終始した。代わって、ファームの野手が久米島野球場に来て、シート打撃を行った。一軍首脳陣はその様子を見詰めながら、ファームにいる選手たちの状態に目を光らせた。

一軍選手は通常よりも早い時間に球場を後にしたが、投手陣の中では、安樂智大選手が午後も残って練習。前日の紅白戦で2回を投げた翌日にブルペンで65球を投じた。「疲れている中でどれだけ投げることができるか確認したかったので」と笑顔で話した。

また嶋選手も室内練習場(ホタルドーム)に場所を移し個別練習を開始。5日には今キャンプ唯一となる休日に練習し、この日もマシン打撃などで、最後まで残って汗を流した。飽くなき練習量と、強力なリーダーシップ。捕手として、キャプテンとして、今年もチームの中心には、この男がいる。「(個人としては)怪我もなく順調に来ています。(チームとしては)明るさの中にも緊張感があり、良い雰囲気でできています。勝つことによってチームの雰囲気が良くなる。1人1人がしっかり大人になって考えて、厳しさを持っていきたいです」。

頼もしいチームリーダーは、その言葉で、背中で、チームを引っ張る。そして誰もが全幅の信頼を寄せる。もう1度、日本一を-。夢と感動を再び分かち合うために、その決意は固い。

2月7日(日) 新しい力が躍動した紅白戦

  • 天気:曇り
  • 気温:15℃
  • 風速:4m/s
  • 観客数:1550人
  • 報道数:120人

フジ・コーポレーションスプリングキャンプ2016 レポート2/7

久米島でのスプリングキャンプ7日目。この日は不安定な天候の一日だった。朝から雨に見舞われ、浜辺での声出しがこの日も中止。久米島野球場では、小雨が降り注ぐ中でのウォーミングアップをグラウンドで終えると、室内練習場(ホタルドーム)に場所を移し練習を行ったが、次第に晴れ間が差し込み、気が付けば太陽が強く照り付ける日中となった。

そのため午後は予定通り、7イニングの紅白戦を実施。週末ということもあり、今キャンプ最多のファンが見つめる中、投打に新しい力・若い力が躍動した。「3番・サード」で出場したルーキーの茂木栄五郎選手は2安打と活躍。梨田昌孝監督も「良いスイングをしていた」と自ら名前を出して評価した。また昨年から野手に転向した育成契約の片山博視選手がバックスクリーンを越える超特大のホームランを放ち猛アピール。投手では2年目の安樂智大選手が2回を1安打に抑えた。特に、初回のオコエ瑠偉選手との“ドラフト1位対決”では、外角への直球勝負で3球三振。前日からプレッシャーを感じていた19歳は「打たれないで良かった」と胸をなでおろした。

そして、最も注目を集めたオコエ選手は「2番・センター」で出場。「最初の打席は考え過ぎでした、自分のスイングができませんでした。その後も強いスイングを心掛けていたのですが差し込まれてしまいました」と振り返った通り、最初の3打席は、見逃し三振・一塁ファールフライ・センターフライに倒れた。それでも最終回の7回裏、打線の爆発により第4打席が巡って来た。梨田監督が「最後にもう1回打席が回ってくると思わなかった」と感嘆した最後のチャンス。「アピールをしたいので、もう1打席回って来て欲しいと思っていました。詰まり気味でしたが、(打球の)コースが良かったのでラッキーでした」と謙遜したが、内角の直球を振り抜いた打球は左中間を真っ二つ。大きなストライドで快足を飛ばした得意のベースランニングで加速を付け、余裕を残して三塁に滑り込んだ。注目ルーキーの魅力が凝縮された一打に球場は歓声で沸いたが、当の本人は「周りを見る余裕がなかったです」と初々しく話した。

この日は、紅白戦を終えると、ファームの仲里野球場からも選手が合流し全選手が集結。恒例の「久米島フェスティバル」を開催し、楽天久米島協力会の皆さまらと一緒にゲームを行い交流した。子供たちと触れ合うオコエ選手顔に無邪気な笑みが浮かぶ。プレッシャーから放たれた一打が、18歳を安堵感で包んだ。進化を続ける注目のルーキーが力強い一歩を踏み出した。

2月6日(土) 投打の主役

  • 天気:雨
  • 気温:13℃
  • 風速:8m/s
  • 観客数:400人
  • 報道数:95人

フジ・コーポレーションスプリングキャンプ2016 レポート2/6

久米島でのスプリングキャンプ6日目。この日は終日の雨模様。強い風が吹き荒れ、体感気温はさらに下がり、厳しい一日となった。

第2クール初日となったこの日は、浜辺での朝の声出しが三度目の中止となり、練習も室内練習場(ホタルドーム)で実施。初日から延期となっていたチーム全体での集合写真を撮影したもののグラウンドに選手が揃ったのは、この時だけだった。練習は、軽めの練習メニューに減らし切り上げる選手もいれば、自主練習を遅くまで行う選手もいるなど、調整方法は様々。多くの選手が個別練習を行う中、オコエ瑠偉選手は池山打撃コーチが投球するボールを打ち込みマンツーマンで指導を受けた。

そうした中、銀次選手も遅くまで汗を流す。全体練習終了後、約40メートル先にある集球ネットの中心を狙って打ち返す独自のトスバッティングは、キャンプの風物詩だ。下半身を意識した軽いスイング。5割の力で放たれたボールは、放物線を描き、1メートルに満たない穴に吸い込まれる。卓越したバットコントロールの源泉は、日々の研鑽だ。「状態は去年よりすごく良いです。自分のスイングはできているので、あとは速いボールに合わせることができれば大丈夫です」と自信満々に語った。故障に泣いた一年は終わり、今年から選手会長に就任。「より一層、チームを引っ張る気持ちを持って行きたいですし、チームも良い雰囲気で野球に取り組んでいる」と、決意に満ちた表情を浮かべた。

投手陣では、則本昂大選手がブルペン入り。今キャンプ最多となる150球をセットポジションから投げ込んだ。「一昨日にワインドアップで投げ込んだので、今日はセットポジションと決めていました」と、計画通りの調整に笑顔で話した。昨年のキャンプではスローペースでの調整。肘の痛みもあり、シーズン開幕後も調子が上向かなかった。「いま調子が良いので、去年の終盤ぐらいからの投球フォームをしっかり体に染み込ませたい」と、充実感のある表情を浮べた。

休日を挟んで迎えた仕切り直しの一日。心機一転のスタートも再び厳しい天候に見舞われた。これも2年連続最下位という屈辱から這い上がるための試練。実際、選手の表情には、焦りも不安もない。銀次選手・則本選手は「調子が良い」と、口を揃えた。投打の主軸は、悪天候に負けない強さで、チームを力強く引っ張る。

フジ・コーポレーション スプリングキャンプ 2016 特設サイト

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