2016/02/05 (金)
チーム

【キャンプレポート】フジ・コーポレーションスプリングキャンプ 2016

2月4日(木) 充実の第1クール終了

  • 天気:曇りのち晴れ
  • 気温:18℃
  • 風速:4m/s
  • 観客数:370人
  • 報道数:90人

フジ・コーポレーションスプリングキャンプ2016 レポート2/4

久米島でのスプリングキャンプ3日目。この日は曇り空。雨に見舞われることなく、午後には日差しも差し込んで、予定通りの練習メニューを消化した。

この日の朝は、浜辺での声出しと平行して、新人選手と外国人選手らが2組に分かれ、仲里小学校と大岳小学校を訪問。登校してくる生徒を校門で出迎えるハイタッチ挨拶運動を行った。子供を抱きかかえたオコエ瑠偉選手は、「野球を通じて交流するのは初めてです。子供は無邪気なので好きです」と笑顔で話した。

第1クール最終日。ウォーミングアップ・ベースランニング・キャッチボールを終えると、室内練習場(ホタルドーム)に場所を移しサインプレーの確認を行った。カーテンを閉めて、報道陣をシャットアウトした状態で約30分間の非公開練習。投手・捕手・内野手が参加して、バントシフトや二遊間の牽制などの確認を入念に行った。投手陣では松井裕樹選手がキャンプインから4日続けてのブルペン入り。「体的にはしんどいですが、今日の投球が一番良かったです」と91球の投球を終え充実の表情を見せた。野手陣では、ジャフェット・アマダー選手がバックスクリーン直撃弾など8本の柵越えを放ち、この日も圧巻の長打力を発揮。「ホームランと言った個人的なことではなく、チームのために貢献したい」と、一貫して冷静に話した。

注目を浴びているオコエ選手は、朝の小学校訪問を終えると、ルーキーの茂木栄五郎選手・足立祐一選手とともに、3日連続の早出練習に参加。通常メニューの終了後は、特打で汗を流した。「だんだんと慣れて来ていると思います」。梨田昌孝監督は、「バッティングでタイミング(の取り方)が遅れていたけど、昨日・今日と良い感じで球を捉えている。コーチのアドバイスをすぐに実践へ移すことができる部分が良いところですね。手を加えればすぐに実戦で使えそう」と成長を続けるルーキーを評価した。

その梨田監督は、練習の合間に初めて二軍の仲里野球場を訪問するなど精力的に動いた。「前半の2日は雨で室内、残りの2日は外。ここまでは、うまくいったかなと思います。投手陣では則本も順調、他もまずまず頼もしく投げています。野手陣では外国人選手の状態が良いので、塁に出ることができれば、点を取れそうな期待はあります」と振り返った。充実の第1クールが終了。明日はキャンプ初にして唯一の休日を挟み、第2クールに突入する。

フジ・コーポレーション スプリングキャンプ 2016 特設サイト

2月3日(水) メキシコの大砲

  • 天気:曇り
  • 気温:16℃
  • 風速:4m/s
  • 観客数:350人
  • 報道数:120人

フジ・コーポレーションスプリングキャンプ2016 レポート2/3

久米島でのスプリングキャンプ3日目。深夜に降っていた雨も弱まり、日中は屋外で予定通りの練習メニューを消化した。

この日は、早朝の声出しが、ついに行われた。宿舎からほど近い浜辺で体操の後、各選手が今年の目標を大きな声で海に向かって叫ぶキャンプの定番行事。復活した今年は、梨田昌孝監督の発案により、一軍・二軍の全選手・コーチ・スタッフによる合同開催となった。夜明け前の静けさが漂う薄暗い浜辺に、続々と人が集う。さらに多くの報道陣とファンが取り囲む中、松井稼頭央選手が「プロ23年目、今年41歳。肉体は伊志嶺よりもまだまだ若い松井稼頭央です」と先陣を切った。最後はジャージを脱ぎ白いタンクトップ姿で「今年はこれを着てビール掛けがしたいです!」と絶叫。通常は若手を中心に行うことが恒例となっている中、梨田監督からの事前指名を受け、球界のレジェンドが堂々と大役を果たした。また、2月3日は節分の日。キャンプ恒例の豆まきには、梨田監督と千葉県船橋市の非公式キャラクター「ふなっしー」が初対面し、“なっしー&ふなっしー”の夢のコラボで邪気を追い払った。

さらに、この日、注目を集めたもう1人の主役は、グラウンドで“鬼のような”バッティングで衝撃を与えた。メキシコ出身のジャフェット・アマダー選手は、午後のフリー打撃で、53スイング中17本の柵越えを披露。力強いスイングから弾き返されたボールは、空高く舞い上がり、軽々と外野フェンスに越える。球界最重量135キロを誇る大砲がついにそのベールを脱いだ。梨田監督は「スイングのぶれが見られないし、選球眼も良さそう」と4番候補に期待を寄せる。だが、豪快な打撃に周囲が騒然とする中、本人は至って冷静だ。 「(キャンプインから2日間は屋内での練習だったため)実質的には2ヶ月ぶりのバッティングで、初めての外での練習だったので、感覚的にはまだ万全ではないです」。打撃の秘訣を聞き出そうとする報道陣に対しても、「特別なことはないです。ボールをよく見て、バットの芯に当てる、それだけに集中しています」と、スペイン語で淡々と言葉を繋いだ。

2年連続最下位から這い上がるためには、長打力・得点力の向上が絶対条件。この課題を解決するために、アマダー選手の活躍は不可欠となる。「童顔だからカチョーロ(子犬)と呼ばれていた」と話す29歳は、チームメイトから“アマちゃん”と呼ばれ異国の地で新しいスタートを切った。「調子はまだ70%ぐらいなので、少しずつ慣れていきたい」。万全の状態で、一体どれだけ打球を飛ばすのか?我々の興味は尽きない。迫力満点の巨体には、たくさんの期待と夢が詰まっている。

フジ・コーポレーション スプリングキャンプ 2016 特設サイト

2月2日(火) 若き左腕の飛躍

  • 天気:雨
  • 気温:15℃
  • 風速:6m/s
  • 観客数:300人
  • 報道数:80人

フジ・コーポレーションスプリングキャンプ2016 レポート2/2

久米島でのスプリングキャンプ2日目。この日も朝から雨が降り、早朝に行う浜辺での声出しは連日の中止となった。しかし、久米島野球場に到着し、雨脚が弱まった午前中はグラウンドで練習を開始。午後は室内練習場(ホタルドーム)に場所を移し、予定通りに練習メニューを消化した。

毎年恒例となる久米島特産品の寄贈、梨田昌孝監督が初めてブルペンで見守る中での松井裕樹選手の2日連続ブルペン入り、池山隆寛打撃コーチによるオコエ瑠偉選手へのマンツーマン打撃指導、島内宏明選手の26歳バースデー、阿部俊人選手によるヤモリの捕獲。硬軟織り交ぜた話題に事欠かない一日となったが、最も存在感を放ったのは、4年目左腕の森雄大選手だった。

午前中、外野グラウンドでは、全選手の参加によるシャトルラン(往復持久走)が行われた。外国人選手も含めた40選手が電子音に合わせて一斉に右へ左へ走り続ける。100本を越えて次々と選手が離脱して行く中、最後は森選手とルーキー茂木栄五郎選手との一騎打ちとなった。森選手が4年前の新人合同自主トレの際に残した137本は現在も球団新人記録。茂木選手も先月の記録(132本)を上回る強靭なスタミナを見せて食い下がったが、140本で力尽き、森選手が最後まで走り切った。首脳陣が見守る中での強烈なアピール。「監督からナイスランと言っていただきました」と喜んだ。その後は、2日連続でブルペンに入り投げ込み。唸り声を上げながら捕手のミットに力強く投げ込んだ。

昨シーズンは、ファームで先発ローテーションを守り、着実に進化を遂げた。一軍登板は3試合に終わったが、シーズン終盤の先発登板では「走者を出しても粘ることができて、変化球の精度も上がった」と一軍での手応えを掴んだ。オフシーズンは筋力強化により体重が6キロ増加。1月はハワイで自主トレを行い、一日5回の食事とトレーニングで、徹底的に体を大きくした。「体重を増やして臨んでいるシーズンなので、まだ体に慣れていないですが、シャトルランでもしっかり走れましたし、これから上げて行きます」と話した。

球団創設12年目、楽天イーグルスで二桁勝利を達成した左腕は、これまで1人もいない。チーム力を長期に渡って向上させるためには、若き力の台頭が不可欠となる。「チームに貢献したというシーズンにしたいですし、来年は同じ歳の大卒選手が入ってくるので、その前に自分の地位を確立したいです」。自覚は十分にある。心身ともに逞しさを増した21歳の成長が、そのままチームの飛躍に繋がる。

フジ・コーポレーション スプリングキャンプ 2016 特設サイト

2月1日(月) 荒波からの船出

  • 天気:雨
  • 気温:17℃
  • 風速:9m/s
  • 観客数:150人
  • 報道数:180人

フジ・コーポレーションスプリングキャンプ2016 レポート2/1

日本一奪回に向けて、新たな体制で臨む東北楽天ゴールデンイーグルス。梨田昌孝新監督の下、今年も沖縄・久米島の地でスプリングキャンプがスタートした。

前日の久米島入りの際には快晴に恵まれたが、南国の日差しが照りつける天候から一転、この日は終日に渡り雨が降り注ぎ、スケジュールの変更を余儀なくされた。早朝に行う浜辺での声出しは中止となり、初日恒例となるチーム全体での集合写真も取り止め。日中も冷たい風が強く吹き荒れ、寒々とした天候の中でのキャンプインとなった。

初日の練習は、久米島野球場に隣接する室内練習場(ホタルドーム)に場所を移して実施。梨田監督が「雨は残念。でも、みんな声が出ていた」と話す通り、各選手が気合の入った表情で汗を流した。野手陣は、午前と午後の予定を入れ替えながら、練習メニューを消化。オコエ瑠偉選手は打撃練習やノックなどに取り組み報道陣から多くの注目を集めた。梨田監督が後ろから見守る中でのバッティングでは、「意識してガチガチでした」と、苦笑いを浮かべ初々しさを覗かせた。

一方、投手陣では、則本昂大選手・松井裕樹選手が揃って初日からブルペン入り。実はこの日、則本選手は梨田監督から「メディアを通じて知っているかもしれないけど、3月25日(開幕戦)、よろしくね」と声を掛けられていた。登板が実現すれば「入団年からの4年連続開幕投手」は(1950年からの2リーグ制以降)プロ野球新記録。この日、ブルペンで捕手を座らせて58球を投げ込んだエースは「3月25日には100%の状態で入ることができるように調整したい」と意気込みを語った。

大荒れの天候の中、新しい船出を開始した梨田イーグルス。2年連続最下位という屈辱から這い上がって行くチームにとって、この状況は歓迎することなのかもしれない。再び頂点を目指すために、様々な困難が待ち受けていることは、誰もが覚悟している。梨田船長が導く新しい世界。雨にも負けず、風にも負けず。幾多の試練に屈せず、荒波を乗り越えたその先には、新しい世界が待っている。

フジ・コーポレーション スプリングキャンプ 2016 特設サイト

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